アマチュア無線技士に関する豆知識

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アマチュア無線技士(アマチュアむせんぎし)は、無線従事者免許の一つ。総務省管轄。昭和32年(1957年)までは有効期限があったが、現在では終身免許。

概要

電波は「人類共通の財産」であり、何人もこれを独占することは許されない。電波は利用できる部分の限られた貴重な「資源」であり、皆が自分勝手にこの資源を利用することは直ちにその枯渇を招くことになる。このため全世界的に、ある程度(電界強度によって規定される。)以上の電波の利用については「正当に許可された者」だけに許される「許可制」となっており、それぞれの業務目的に必要な周波数の「割当制」となっている。これはアマチュア無線についても例外ではない。電波利用の許可やその割当を行うのは各々の国(行政府)であり、このためアマチュア無線技士については国家資格となっている。 アマチュア業務を行う為には、個人に対して与えられるアマチュア無線技士(または対応資格)の無線従事者免許と、個人(もしくは社団)及び無線設備に対して与えられる無線局免許状が必要となる。アマチュア無線家の間では、前者は従免、後者は局免と呼ばれる。 この資格では、アマチュア無線業務以外の無線設備の通信操作・技術操作(営利目的業務)はできない。その為、あくまで趣味の一つであり、履歴書等に所持資格(実務)として記載しても通常は無意味なものとして扱われるが、そのコミュニケーション能力が評価されることがある。例外として第一級アマチュア無線技士の有資格者は、電波法及び登録点検事業者等規則に基づき、登録点検事業者制度における点検員の職務に従事することができるため、無線設備の通信操作・技術操作以外の面では無線通信士・無線技術士といったプロ資格に準ずる一面を併せ持っている。:総務省電波利用ホームページ・登録点検事業者制度を参照。 電波の利用は公共の福祉増進のために行われるものであるとされており、営利目的の電波利用については相応のさまざまな制限が課される。 これに対して営利を目的としないアマチュア無線は、むしろ電波利用の本来の姿のひとつであり、多くの電波を「帯域」として利用することが許されている。運用は常時、加えて無線技術の点では、全ての無線設備の設計製作、無線通信の点では、国内、国際、宇宙(衛星・月面反射など)などが許され、移動する局の範囲は、陸上、海上、上空と、基本的に制限はない。 日本では現在、アマチュア無線技士の資格は4種類に分けられているが、電波法施行令によってそれぞれ空中線電力と利用できる電波の型式、周波数に差が設けられている程度である。アマチュア無線局は入門クラスとされる第4級アマチュア無線技士の資格であっても、これを取得することにより、無線局(無線設備)の設計、製作、開局、運用まで、全て個人(一人)で行うことができる。これら一連の流れは他の業務局のものと基本的な部分において差はない。 すなわちアマチュア無線技士の資格を取得し、アマチュア無線局を開局して運用することなどにより、個人のそれぞれの能力に応じて、いわゆる無線に関するほぼすべての知識や技術・技能をひと通り修得、さらにその中で個人の得意な分野について深く探求することができることから、実務に使える資格でないにもかかわらず、魅力ある資格のひとつとなっている。また、いわゆる無線に関するほぼすべての知識や技術・技能をひと通り修得することができることから、他の無線従事者資格(プロ資格)へのステップとして取得する者もいる。 アマチュア無線は、純然たる趣味でありながら免許(国家資格)が必要で、かつ全世界共通の資源である電波を利用するというスケールの大きい、また非常に奥の深い趣味であることから、かつては''King of Hobby''(趣味の王様)と言われたこともある。 時折「アマチュア無線技師」と誤記される。

資格の種別

操作範囲により、次の4種類がある。
  • 第一級アマチュア無線技士(略称:1アマ)
:アマチュア無線局の無線設備の操作 :電波法施行令に規定される操作範囲には空中線電力の制限はないが、実際には、無線局の免許の手続きにおいて容易に免許が付与されるのは空中線電力が1000W以下(短波帯固定局の場合。移動局や超短波帯以上においては、これより低い枠が周波数帯ごとに定められている。)の無線設備までとされている。1000Wの空中線電力を超過するアマチュア局の開設は絶対に不可能とは言えないが、貴重な電波を有効に利用するため、全ての無線局はその業務を行うのに必要な最小限度の電力を輻射するものとされており、1000Wを超える空中線電力が、そのアマチュア局の業務を行うのに必要な最小限度の電力であることの正当で明確な理由の説明が必要となる。また免許の扱いは総合通信局決裁でなく総務省本省の総合通信基盤局回付(つまり総務大臣直接免許)になるなど、事実上相当の困難を伴う。実際、短波帯以外における大出力が月面反射通信専用設備以外で許可された例はない。
  • 第二級アマチュア無線技士(略称:2アマ)
:アマチュア無線局の空中線電力200W以下の無線設備の操作
  • 第三級アマチュア無線技士(略称:3アマ)
:アマチュア無線局の空中線電力50W以下の無線設備で18MHz以上または8MHz以下の周波数の電波を使用するものの操作
  • 第四級アマチュア無線技士(略称:4アマ)
:アマチュア無線局の無線設備で(モールス符号による通信操作を除く)空中線電力10W以下の無線設備で21MHzから30MHzまで又は8MHz以下の周波数を使用するもの、空中線電力20W以下の無線設備で30MHzを超える周波数の電波を使用するものの操作 アマチュア無線技士の免許証について第一級アマチュア無線技士、第二級アマチュア無線技士は総務大臣が、第三級アマチュア無線技士および第四級アマチュア無線技士は省令に基づいて総務大臣より委任された国家試験の受験地または開催された養成課程の主たる実施の場所を管轄する地方総合通信局長が付与する。 1990年までは、現在の第三級、第四級に対応する資格はそれぞれ電信級電話級という名称(資格創設後しばらくは、名前の通り、それぞれの電波型式しか許されない時期もあった)であった。

対応資格

次の無線従事者免許を持つものは、下記のアマチュア無線技士と同様の操作を行うことができる。 :第一級アマチュア無線技士
  • 第三級総合無線通信士
:第二級アマチュア無線技士 :第四級アマチュア無線技士(* 第三級海上無線通信士や(各種の)特殊無線技士では、アマチュア無線の操作は出来ない事に注意)

試験科目

;第一級
  • 無線工学
  • #無線設備の理論、構造及び機能の概要
  • #空中線系等の理論、構造及び機能の概要
  • #無線設備及び空中線系等のための測定機器の理論、構造及び機能の概要
  • #無線設備及び空中線系並びに無線設備及び空中線系等のための測定機器の保守及び運用の概要
  • 法規
  • #電波法及びこれに基づく命令の概要
  • #国際電気通信連合憲章、国際電気通信連合条約及び「国際電気通信連合憲章に規定する無線通信規則」の概要
  • 電気通信術
  • :1分間25字の速度の欧文普通語による約2分間の音響受信
;第二級
  • 無線工学
  • #無線設備の理論、構造及び機能の基礎
  • #空中線系等の理論、構造及び機能の基礎
  • #無線設備及び空中線系等のための測定機器の理論、構造及び機能の基礎
  • #無線設備及び空中線系並びに無線設備及び空中線系等のための測定機器の保守及び運用の基礎
  • 法規
  • :第一級と同じ
  • 電気通信術
  • :第一級と同じ
;第三級
  • 無線工学
  • #無線設備の理論、構造及び機能の初歩
  • #空中線系等の理論、構造及び機能の初歩
  • #無線設備及び空中線系等のための測定機器の理論、構造及び機能の初歩
  • #無線設備及び空中線系並びに無線設備及び空中線系等のための測定機器の保守及び運用の初歩
  • 法規
  • #電波法 及びこれに基づく命令の簡略な概要
  • #国際電気通信連合憲章、国際電気通信連合条約及び「国際電気通信連合憲章に規定する無線通信規則」の概要
  • (補足)
:2005年10月試験から、第三級アマチュア無線技士試験で、電気通信術の科目(音響受信)が廃止された。以降はそれに代え、法規科目においてモールス符号の理解度に関する問題が2問又は3問出題される。 ;第四級
  • 無線工学
  • #無線設備の理論、構造及び機能の初歩
  • #空中線系等の理論、構造及び機能の初歩
  • #無線設備及び空中線系の保守及び運用の初歩
  • 法規
  • :電波法及びこれに基づく命令の簡略な概要
国家試験はかつては年2回程度の実施であったが、現在では第四級については東京で毎月開催、他の地区でも大幅に実施回数が増加している。実施は日本無線協会による。電気通信術については3年間の科目合格制度がある。 1958年から1963年までの間に当時の第二級は、電気通信術試験に合格すれば現行第二級となれた(受けなかった人・不合格のままだった人はのちの電話級に降格)。また1985年から1990年まで、当時の電話級(更に古くは旧第二級)保持者は学科試験が免除され、電気通信術試験に合格すれば電信級免許が与えられた(電信級に電話モードが開放されたための経過措置。法規の内容は同一、また工学の内容は電話級の方が高度だった)。現在は通信術試験は第一・二級のみ、また2005年9月末までに(旧制度扱い)三級を取得していれば一・二級の通信術が免除となる。 第三級、第四級は、日本アマチュア無線振興協会が実施する養成課程講習会を受講し、修了試験に合格することでも取得できる(但し、第三級については、第四級相当の資格を有していなければ、受講することが出来ない)。

備考

  • 一般に試験の難易度、例えば無線工学において確実な解答を得るために必要となる自然科学系の基礎知識レベルは、第三級・第四級の場合、中学校課程修了程度、また第一級・第二級の場合には高等学校課程修了程度と言われる。しかし実際には中学校、高等学校で習う範囲のものとはかなりかけ離れた専門的なもの(各級ともに工科系大学教養課程修了程度以上のものが含まれる。)、またこの資格は、金銭上の利益を目的としないだけで、いわゆる私設無線局の総合責任者資格でもあることから、「初歩」「基礎」「概要」の差こそあれ、いずれの級も無線に関する幅広い知識を問うものとなっている。このため、中学校、高等学校課程修了者であっても、受験勉強は必須である。ただし現在では、各級全ての筆記試験が多肢選択式(マークシート方式)となっているため、場合によっては高等学校相当年齢以下でも合格が可能である。3歳で第三級アマチュア無線技士、小学校3年生で第一級アマチュア無線技士に合格した例がある。
  • 第一級アマチュア無線技士、第二級アマチュア無線技士の資格保持者は、職業訓練指導員 (電子科)試験の受験資格が得られる。
  • 第一級アマチュア無線技士は、電波法第24条の2に基づいて登録される無線設備等の点検事業者(登録点検事業者という)の点検員となることができる。

日本国外における対応資格

日本国外においてアマチュア無線技士に対応する資格を次に示す。実際にアマチュア無線の運用を行うには、免許証を所持しているだけでなく各国の免許手続き、届出が必要である。
日本 第一級 第二級 第三級 第四級 アメリカ ドイツ カナダ オーストラリア フランス 大韓民国 フィンランド アイルランド ペルー

関連項目

注記

外部リンク

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